中国スマホメーカー、世界市場でのシェア獲得のための戦争

「Huawei」について

AppleやSamsungと並ぶブランドへ「Huawei」
HuaweiはハイエンドデバイスのP9を発表し、ハリウッド女優のスカーレット・ヨハンソンを広告塔に起用。
洗練されたクールなイメージを表現しました。高機能なカメラを搭載したスマートフォンを表現するためにはぴったりの配役だったと言えるでしょう。
これによりHuaweiは、P10とMate 10 といったモデルが、ハイエンドフォンのシェアを2016年の5.8%から2017年第2四半期の14%へと押し上げる原動力と
なったとしています。
 
中国のスマートフォンメーカーは、ハイエンドモデルからラテンアメリカ、アフリカ、東南アジアなど新興国向けのローコストスマホまで、
幅広い端末を製造しています。
 
しかし、Huaweiのターゲットは現在、ハイエンドモデルだけといっても過言では無いでしょう。
Huaweiは本気で自社のブランドイメージをApple、Samsungの2強と並ぶ、いやそれ以上の存在にしようとしています。
 
ただ、Huaweiは自分たちの現在地をしっかりと認識しているように見えます。
マーケティングの観点から見ると、私たちは非常に若く、世界の市場において一貫したブランドイメージを得るためには、
まだまだやるべきことは多いといったような、謙虚さが見えます。
ハイエンドというエリアに入っていったのも、たったの5年前ということを考えれば、まだまだ努力も投資も足りないというのが、
Huaweiの考える現在地のようです。
Huaweiは通信関連機器のシェアでも巨大な会社ですが、何かこの謙虚な姿勢が成功をつかむ秘訣なのかもしれません。
 
2016年にHuaweiは、世界のモバイルネットワーク、通信インフラの構築と運営により、420億ドルの収入を得ました。
 
アメリカとオーストラリアは、国家安全保障への懸念から、Huaweiが自国のネットワークを構築することを妨げています。
 
しかし、このような、Huaweiと中国共産党が密接な関係にあるとする疑惑は、あくまでも疑惑であり、
Huaweiがこれらの国々の市場に参入することをまったくあきらめたわけではないということです。
 
Huaweiは確実にAppleとSamsungの顧客を取り込んでいる
Huaweiは確実にAppleとSamsungの顧客を取り込んでいます。
アップルのユーザーはバッテリーに不満を抱えており、サムスンのユーザーはより良いカメラを望んでいるのです。
 
Huaweiの真骨頂はいつもR&D、研究開発です。Huaweiはこの研究開発に数十億ドルを注ぎ込んでいます。
 
Huaweiは、16のR&Dセンターを持っていますが、そのうち9つは中国国外にあります。
設計作業はパリの中心部で行われ、カメラ技術はドイツのLeicaとともに行われます。
 
Huaweiは中国市場ではナンバーワンを獲得していますが、やはりAppleとSamsungというブランドは大きな存在であり、
Huaweiとしても、彼らのような「ブランド」として認知されることが必要だと考えています。
 
Huaweiは今後、今までにあまり力を入れてこなかった女性をターゲットに、スタイリッシュな端末をアピールしていきたいと考えているようです。
具体的にはファッション、エンターテインメントといった方面へ多く投資していく考えのようです。
 
最近、発表されたMate RS Porsche Designでは、スマートフォンのスペックはともかく、Porscheとの協業により生まれたデザインは、近未来的且つ、
スタイリッシュなデザインが、今までHuaweiの端末に見向きもしなかった層の人々を惹きつけています。
 
Huaweiはひとつ、大きなハンディキャップを抱えています。
これをハンディキャップと言っていいのかどうかは分かりませんが、少なくともHuaweiはこのことを認識しているはずです。
 
Huaweiという言葉の発音がひじょうに難しく、中国人以外の人にとって聞き取りづらいのです。
この点について、Huaweiは、議論を尽くした方がいいかもしれません。
もちろん、この名前を背負ってこれまでの成功があるわけですが、Apple、Samsungに並ぶブランド化を目指すのであれば、
非常に重大な判断になるのではないでしょうか。